「そうだ、家を建てよう。」
たぶん家づくりを始める人は、みんな最初こんなテンションだと思う。
私もそうだった。
ただ、展示場へ行く前にまず始めたのは土地探しだった。
“良い土地が見つかれば、家づくりの方向性も決まるだろう”
そんな完全素人考えでスタートした。
そこから大量の土地情報を見始めたのだが、これが全然ピンとこない。
住宅街。
旗竿地。
隣家との距離が近い土地。
悪くはない。
でも何か違う。
今の住まいが高層マンションで眺望が良いため、どうしても“抜け感”を求めてしまう。
そんな時だった。
川沿いで、眺めの良い土地が出た。
「え、ここヤバくね?」
現地へ行った瞬間。
「めっちゃ良い。」
目の前に川。
河川敷。
河川公園。
真南が抜けている。
つまり、
未来永劫、
陽当たりが勝確なのだ。
しかも景色が気持ち良い。
“普通の土地じゃない感”
が凄かった。
私は新着初日に問い合わせを入れ、
そのまま現地へ向かい、
気付けば買付交渉までしていた。
土地価格は2180万円。
当然のように、
まずは強気でいく。
「1800万円でどうでしょう?」
完全に家づくり初心者特有の、
“とりあえず大幅値引きチャレンジ”
である。
結果。
普通に断られた。
ですよね。
その後、
なんやかんや交渉した結果、
現在は2100万円ラインで話が進んでいる。
ただ、
この時の私はまだ知らなかった。
この土地が、
“ただ景色が良いだけの土地”ではないことを…。
だが、この土地には落とし穴があった
いや、
落とし穴というより、
ほぼ地雷原だった。
まず。
43条2項2号。
なんだそれ。
初見では呪文にしか見えない。
簡単に言う。
「普通には建てられません。」
である。
え?
土地なのに?
建てたらダメなの?
どうやらこの土地。
行政に申請して、
いくつものハードルを越え、
許可が下りて、
初めて建築可能になる土地らしい。
つまり。
クソめんどくせぇ。
さらに追い打ち
問題はまだ終わらない。
上下水道。
無い。
いや正確には、
引き込み直しが必要。
追加費用、
約250万円。
しかも。
近隣同意が必要。
なんだ近隣同意って。
RPGのサブイベントか?
さらに。
土地が傾斜している。
つまり擁壁が必要。
追加300万円前後。
もう笑うしかない。
なぜ3ヶ月も競合がいないのか
普通、
眺望が良い土地は即消える。
なのにこの土地。
3ヶ月、
競合ゼロ。
理由はシンプル。
みんな途中で気付く。
「あ、これめんどくさいやつだ。」
と。
しかも43条問題は、
将来の建て替え保証もない。
もし売却する時も、
「訳あり土地ですねぇ」
と言われ、
減額理由になりがち。
ナンテコッタイ。
でも、景色が良いんだよ…
問題しかない。
金も掛かる。
手間も掛かる。
将来リスクもある。
普通なら、
やめた方が良い。
私も何度も思った。
「他の土地で良くね?」
と。
でも。
惚れた弱みである。
真南の抜け感。
川の景色。
圧倒的な開放感。
“特別感”。
これが忘れられない。
そして最後の問題
ご近所。
野球部寮。
なんてこった。
いや、
とても礼儀の良い子達なんです。
本当に。
ただ。
もしここに住んだ場合。
私は人生で、
常人の数百倍、
「こんにちはー!!!!!」
と挨拶する人生になる気がしている。
良い事なのか悪い事なのか、
正直まだ分からない。
というわけで
本契約時には、
値引き交渉をする予定である。
せめて、
追加で掛かる費用の半分くらいは見てほしい。
頼む。
本当に頼む。
でも、
それでもまだ悩んでいる。
こんな面倒な土地、
やめた方がいい。
それは分かっている。
でも。
“惚れてしまった土地”
って、
理屈じゃないのだ。
どうしたものか…。


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